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奨学金で学ぶ:製菓の学校編

奨学金をもらいながら通った製菓学校

私が高校生のころ、夏休みに親戚の家へ遊びにいったことがあった。

その家では自宅を改装して小さなケーキ店を経営しており、おやつの時間になると店頭に連れて
いかれ、なんでも好きなケーキを選んでいいと嬉しいことを言ってくれた。
当時食べざかりの女子高生だった私は、真っ赤なイチゴがのったショートケーキとふわふわ美味しそうなモンブランを選んだ。 ひとたび口に入れると華やかに広がる甘い香り。
なんだかなくなってしまうのが惜しい気持ちで、ちょっとずつ大事に食べたものだ。

厨房で作っているところを見学させてもらうと、甘い香りが充満するキッチンでまるで魔法の
ように次から次へとケーキが出来上がる。 なんだか夢を見ているようで、私もこんな風にケーキを作りたいと一念発起。 いままでお菓子作りなんてしたことがなかったのだが、製菓学校へ進学することに決めた。 しかし我が家は専門へいけるようなお金がなく奨学金制度を利用しなんとか入学。 基礎からお菓子作りを学び、たくさんの仲間やライバルもできてとても楽しい学校生活を送ることができた。

卒業後は先輩のケーキ屋に弟子いりし、数年働いて奨学金も返し終わりやっと今年自分の店の
オープンにこぎつけたところだ。 まだオープンしたばかりで苦労するところは沢山あるものの、病院帰りに立ち寄ってケーキを選ぶ子供の泣き顔から笑顔に変わる瞬間や、おいしかったよ
の一言がとても私をいやしてくれる。 まだまだ私の「幸せ」は始まったばかりなのだ。

製菓の学校は奨学金を出して優秀な生徒を特待生として集めています

ご存知の通り、食産業は過熱することはあっても止まるところを知らない空前の一大ブームになって久しいです。 和食、寿司、中華、フレンチ、イタリアンなどなど、どれもが人気料理で人気
メニューがたくさんあります。 当然ながら厨房の主人公である板前さん、コックさん、調理人と呼ばれる職人さんたちを鍛えに鍛えて世に送り出す調理の専門学校には明日の巨匠、
マエストロ、食の巨人を目指す若者が次々と門を叩き日々修行に励んでいます。

当然ながら海外で修行し帰国後はTVや雑誌でも取り上げられるほど人気の職人になる人もいます。
こういう職人を多数非出する学校は話題にもなり人気が出るので、やはり、当然ながら毎年多くの学生が入学します。 それがまた新たな優秀な職人を輩出する好結果を生むプラスのサイクルを
作り出します。 こうなると数年間は無敵の学校として料理の世界に君臨するでしょう。
ところが一方このブームから外れ始めているのが製菓業界です。
製菓職人の数が過飽和状態となり、しかも決してメインディッシュにはなれないデザートで
あるために、新たな活路を見出せないまま過当競争に突入したことが人気低迷の原因となり、
学生の数が激減し学校も縮小傾向になっているようです。

製菓は製菓でしかなく新たな食に変わることができないために起こる閉塞状態なのでしょう。
当然ながら、学校が縮小傾向になれば製菓職人を目指す学生は減ります。
なかでも優秀な生徒たちは将来の展望を考えて他の料理学校へ進んでしまいます。
そこでこの状況から抜け出すために、ある学校が考えた起死回生の方策が、奨学金を出して優秀な学生を特待生として確保することです。 いずれこの特待生たちの中から巨匠と呼ばれる製菓職人が登場すれば、また製菓は脚光を浴び学生が集まる新しい流れが生まれ、 更にまた新たな巨匠が生まれるというサイクルができることを期待して、今後の製菓業界を見守っていこうと思います。

製菓学校における有資格者奨学金に関する制度

製菓学校に通うにあたり、いくつかの奨学金制度があります。 もちろん各々の学校によってその制度はまちまちですが、一般的には留学生に対するもの、成績が優秀な特待生に対して、 または兄弟などが同じ学校に通っていた場合なども奨学金をもらえる制度もあり、多種多様なシステムになっております。
その中でも有資格者奨学金という制度があり、それは一般に特定の資格をもっている方に
当てはまるものです。

たとえば、国家資格である管理栄養士や栄養士、または調理師や製菓衛生師などの資格を持って
いる方がその該当になります。 もしくは、今現在は資格がなくとも、栄養士または調理師の
養成施設に通っており、資格取得見込みが近い将来ある方なども当てはまることがります。
学校によっては、全国高等学校家庭科食物調理技術検定1級を取得した人や特定の料理検定1級を
取得した方に対しても門戸は開いてます。

額もまちまちではありますが、学校によっては10万円、20万円など提示額も様々です。
せっかくこうした資格を保持されていたり、募集できる立場でいらっしゃるからには、
このチャンスは大きな経済的な支援となるといえるでしょう。
募集の際にはたいてい書類選考と作文が要求されます。 ご自分の製菓学校での熱意や思いなどを十分に文面から表現できることが大事になってきます。 せっかくの奨学金の機会を、
ぜひ利用してみることが今後の自分への投資にもなりいい選択といえるでしょう。

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